男性の育児休暇取得率データの開示を義務化してはどうでしょう?

過去最高でもわずか5.14%

平成29年度の雇用均等基本調査によると、育児休暇を取得した男性は全体の5.14%で1996年以来最高を記録しました。
政府は2020年までに13%まで引き上げたいとしていますが、このペースでは達成は難しそうです。
一方、3歳未満の子どもを持つ20~40歳代の男性正社員のうち、育児休業を利用したかったが利用できなかった人の割合は3割にのぼるという調査結果が出ています。
利用できなかった理由として、人手不足、職場で育休を取得しづらい雰囲気だった、などが挙げられています。

フランスでは7割が取得

このところ少し下がっていますが、2018年のフランスの合計特殊出生率は1.88人と日本(1.43)を大きく上回っています。
フランスでは2002年に「父親休暇」という名称で11日間の男性産休を法制化し、約7割が取得しています。
DREES(フランス政府調査評価統計局)によると、「父親産休を取得した父親は、その後も子供の世話により多く参加している」ということです。

働きながらの子育ては女性の負担が大きい

内閣府の平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書の結果です。
女性正規社員のうち、「働きながら子育てするのが難しそう」と答えた人が70.8%に上りました。
実際のところ、育児は女性の負担が大きいのが現状です。
育児休暇中も赤ちゃんを抱いて保活をしなければなりません。
保育園が決まったら、子どもと大きな荷物を抱えて登園し、帰ったら山のような汚れ物の洗濯が待っています。
お父さんは一緒に育児をしたくても、帰りが遅くてできません。
本当は、生まれた時のほんの短い育児休暇では全く足りないのです。

企業は男性の育児休暇取得率の開示を

私は企業の男性育児休暇取得率の開示義務化を提案します。
そしてESG投資(環境、社会、企業統治に配慮した投資)の指標にしていただきたい。
企業にとってもメリットは大きいと思います。
企業イメージが上がり、業績が改善し、株価上昇につながります。
出生率の回復は待ったなしです。
子どもを持ちたい女性が安心して産み、育てられる仕組みを整える必要があります。
このままでは、日本が誇る社会保障制度が存続できなくなってしまいます。
手遅れになる前に、他の企業より先に動きませんか?

この記事を書いた人

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重次泰子

熊本県出身。
慶応義塾大学、経済学部卒業。
銀行で8年勤務し、その後4年ほど2人の子育てに専念。
その後シンクタンクで11年派遣社員(嘱託研究員)、2年間研究員として勤務。
この間、コーチングに出会い、学ぶ中で、「メンバーの幸福度とチームの成果の両方を引き上げる仕組みづくりはないか」という問題意識を持ち、Gallup認定ストレングスコーチ資格を取得。

2018年10月「リソース活用ラボ」開業。
(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ
ギャラップ認定ストレングスコーチ

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