直感は鍛えられるか?

十分な時間があれば、ある程度納得のいく判断は下せる気がします。
しかし、瞬時に判断を迫られるとき、正しい判断を下せるのか、はなはだ自信がない。
最近そう強く思う体験がありました。
大先輩とのコーチングのトレーニングでのこと。
私のクセをズバリと指摘しつつ、クライアントさんの思考パターン見抜き、どう持っていけばより効果的だったかを何通りも示して指導してくださったMコーチ。
あまりのスキルの高さに呆然とし、思わず、「どうしたらそんなことができるようになるんですか?」と質問。
「あんたねえ、私が何千時間セッションしていると思ってるの?」
コーチングは瞬時の判断、直感の勝負です。
クライアントさんとの対話で私が必死に思いを巡らせて次の質問を考えている間に、Mコーチは何十もの選択肢を考え、瞬時にベストな質問を選び取っているのです。
余りにも遠い目標・・・
やや絶望的な気持ちになりつつ、ふと疑問が湧きました。
訓練すれば直感は鍛えられるのだろうか?

カーネマンの認知容易

ちょうど、心理学者でありながらノーベル経済学賞を受賞した、ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか?」を読み始めていました。
それによると、人間は意思決定をするとき、直感的、感情的な「速い思考(システム1)」と意識的、論理的な「遅い思考(システム2)」を使っているとのこと。
直感にあたるシステム1の特徴として

自動的かつ高速に機能する。努力は殆ど伴わない。主体的にコントロールする感覚はない。
特定のパターンが感知(探索)されたときに注意するよう、システム2によってプログラム可能である。
適切な訓練を積めば、専門技能を磨き、それに基づく反応や直感を形成できる。
(以下省略)

つまり、カーネマンの理論によれば、私が常に気を付けるべきことを意識して、適切な訓練を続ければ、認知が容易にできるようになり、直感的な判断ができるようになる、ということです。

振り返りが必要

Mコーチは、「闇雲に下手な素振りをいくらやってもダメよ。」と言っていました。
これはカーネマンの理論でいうと、「適切な訓練」を積まなければ、あるいは意識的、論理的な思考(システム2)によってプログラムされなければ、直感は鍛えられない、とも理解できます。
フィードバックを受ける、又はきちんと振り返りをして、意識の中にプログラムし続ける。
必ず直感的に判断できるようになることを信じて、地道に訓練するのみ、と思いを新たにしました。

この記事を書いた人

重次泰子

重次泰子

熊本県出身。
慶応義塾大学、経済学部卒業。
銀行で8年勤務し、その後4年ほど2人の子育てに専念。
その後シンクタンクで11年派遣社員(嘱託研究員)、2年間研究員として勤務。
この間、コーチングに出会い、学ぶ中で、「メンバーの幸福度とチームの成果の両方を引き上げる仕組みづくりはないか」という問題意識を持ち、Gallup認定ストレングスコーチ資格を取得。

2018年10月「リソース活用ラボ」開業。
(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ
ギャラップ認定ストレングスコーチ

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