若者が「強み」を意識するのは逆効果?

経営層や管理職からの懸念の声

最近、企業の経営層、管理職の方から、「強みを意識するのは良いことだが、若い人がそれを言い訳にして、不得意なことをやらなくなるのが心配だ」という声を多く聞きます。
「何度言っても同じミスを繰り返す人が、『僕は慎重さがないから、この仕事は僕には向いていないと思います。』と言う(思う)かもしれない。」
「営業の成果が上がらないのを、『人間関係資質がないから』と言い訳しそうだ。」
「若い人には、強みとか弱みとか意識せずに、苦手なことでも何でも果敢に挑戦してもらった方がいいと思う。」
「変に強みを意識することで、チャレンジする範囲を狭めてしまうのではないか?」

確かに、経営層の方たちの心配はもっともだと思います。
もし、自分の強みを言い訳にして苦手なことをやらなくなるのなら、ストレングスファインダーを受けるのは逆効果と言ってよいでしょう。
ストレングスファインダーは、成果を出すためのビジネスツールです。
何かを行うとき、自分はどの資質を優先して使えば、より高い成果が出せるのかを知る手段であることを、しっかり理解することが大切です。

自分の持つ別の才能を使えば苦手なことにも挑戦できる

例えば、「書類や手続きのミスをせずに完了させる」という仕事を例として考えます。
「慎重さ」を上位に持つ人は、ミスの無いようにしっかり目を配ることができます。
しかし、「慎重さ」が下位でも、ある程度は他の才能で代替することができます。
「才能」というのは、習得が速い、他の人より優れているなど「能力的な側面」だけでなく、満足感を得ること、あこがれを感じること、没頭できることも含みます。
従って、たとえば、
「責任感」があれば、ミスをしないことで人の信用を得ること(満足感)を糧に成果を上げる。
「競争性」があれば、ライバルを想定し、その人よりミスを少なくするゲーム性を持つ(没頭できる)ことで成果を上げる。
「自我」があれば、ミスの少ない人として社内での自分の重要性が高まること(あこがれ)を糧に成果を上げる。
「収集心」があれば、ミスをしない方法について、情報を集めることで成果を上げる。
「原点思考」なら、そもそもミスをしないことによるプラス面は何かを考え、納得することで成果を上げる。
「未来志向」なら、ミスをしなくなると将来どんな良いことがあるかを想像することで、成果を上げる。
「着想」なら、ミスをなくすアイディアを考えてどんどん試してみることで成果を上げる。
ざっとみても、これだけ代替する手段が考えられます。
色々頑張ってみてうまく行かない時は、人の力を借りればよいと思います。

自己基盤(大人度)を整えて才能を活かすと成果が上がる

素晴らしい資質の組み合わせを上位に持っているのに、成果を出せない場合があります。
その人の自己基盤(大人度)が弱い場合です。
自己基盤(大人度)が弱いとは、

  • うまく行かないことを人や環境のせいにする。
  • 自分が資質を非生産的に使っていても、自分を客観視できないので気付かない。
  • 困難にすぐへこたれる(その状況で自分にできることを探そうとしない)。

冒頭で経営層の方が懸念した、「自分は○○が無いからこの仕事は向かないと思います」と言ってしまう人もその範疇に入ります。
人からのフィードバックを受けるとふて腐れたり、怒ったりしてしまうほど幼児性が強いので、「自分の強み」以外のことをやらなくなってしまいます。

逆に最も成果が上がるのは、自己基盤が整っていて、自分の才能を自分だけではなく周りの人のために使える人です。
他の人がその恩恵を受けて成果を上げるだけでなく、互いの才能を活かそうという雰囲気が広がり、チーム全体の成果が上がる好循環が生まれます。

自分の苦手なことも、他の才能で代替して上手くいくこともあります。
そうやって挑戦し続けると、今の自分の仕事に必要な資質が上位に上がってくることもあります。
自己基盤を整えながら、才能を活かし、是非成果を上げていただきたいと思います。

この記事を書いた人

重次泰子

重次泰子

熊本県出身。
慶応義塾大学、経済学部卒業。
銀行で8年勤務し、その後4年ほど2人の子育てに専念。
その後シンクタンクで11年派遣社員(嘱託研究員)、2年間研究員として勤務。
この間、コーチングに出会い、学ぶ中で、「メンバーの幸福度とチームの成果の両方を引き上げる仕組みづくりはないか」という問題意識を持ち、Gallup認定ストレングスコーチ資格を取得。

2018年10月「リソース活用ラボ」開業。
(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ
ギャラップ認定ストレングスコーチ

詳しいプロフィールはこちら