「ノルマは逆効果 なぜ、あの組織のメンバーは自ら動けるのか」を読んで考えたこと

コーチ仲間の主催する企業研修でご縁をいただいた経営コンサルタントの藤田勝利さんの著作です。
多くの日本企業へのヒアリングやコンサルティングの経験をもとに、今の日本企業の抱える問題点を鋭く分析されています。
読みながら、「そうそう、その通りです!」と心の中で100回くらい叫んでしまったほど、深く共感しました。
すべての経営者、働く人に読んで欲しい、そして藤田さんが最後に述べているように、「日本企業が数字や技術に向けすぎている目線を再び人に向けなおして」ほしいと強く感じました。

ノルマが当たり前になっている企業では組織が「冷える」

ノルマを達成することが、自分の目標と合致していればよいのですが、一方的に押し付けられる場合、「やらなきゃ」になるので楽しくなくなり、受け身になる。
そういう人間が組織に増えれば、「組織が冷え」るので、新しいアイディアも出ないし、業績も落ちていく。

日本チームビルディング協会に、チームビルディングを学びに行った時の実験を思い出しました。
その時のチームメンバー7人で、ある課題をやり、時間を図ります。
その時間よりも少し短いタイムをノルマとして設定されて再度行うと、皆が緊張してしまい、1回目よりも長い時間がかかってしまいます。
今度は、皆で話し合い、自分たちが達成すれば嬉しいと思える目標タイムを設定します。
すると、タイムを縮めるための工夫を提案する人が出てきて、皆で大騒ぎしながら何度も練習します。
いざ本番、結果は、目標タイムを大幅に短縮した記録を打ち出しました。
この時のチームは、藤田さんが本で述べている「わくわくするミッションに向かう情熱集団(ホットグループ)」だったと思います。
「やりがいのあるミッションを共有し」、それぞれが「自らリーダーシップを発揮して」改善策を提案し合う姿です。
ノルマを課せられたときよりも、ずっと高い成果を上げることができ、かつ達成感や幸福感で満たされていました。

「マネジャーには向き、不向きがある」

「個人として業績を上げた人」、「一定の年齢になった人」という理由で昇進させることの弊害はとても多いと感じます。
特に感じるのが、「自分はこのやり方で成功してきた、だから同じようにやれ」というスタイルのマネジャーです。
成功した自分と比較すると、どうしてもできない部分が目につき、部下の弱みを指摘し続けることになります。
部下の育成の仕方がわからない、だから自分の成功体験を持ってくるしかないのでしょう。
もうひとつ、私は、マネジャーの評価基準に、「部下の育成」をしっかり盛り込むべきだと思います。
藤田さんが指摘されているように、「マネジメントという仕事への情熱や責任感」、「人への関心」がある人をマネジャーにする、と同時に、「人の強みを伸ばしてきちんと育成できた人」がさらに昇進するシステムを作ることも大切だと思います。

自分を使って何をしたいのか

「なされるべきことは何か」、「自分を使って何をしたいのか」
この言葉は、仕事をする人間としての私に大きく刺さる言葉でした。
自分は、「自分という資源を使って」何に貢献できるのかを考えることの大切さを改めて感じました。

私はストレングスコーチングという、強みを活かしたコーチングをさせてもらっています。
その時に、クライアントの方に意識してもらうのが、「何のために自分の強みを使うのか」ということです。
まず自分のために使って、うまくできるようになったら、周りの人のために使うことを提案しています。
自分の強みという資源を使って、自分が最大限貢献できることをやると、人を幸せにできる、感謝される、自分に返ってくる、嬉しいのでまた人のために使う、という好循環が生まれると思います。

「自分を使って何をしたいのか」という言葉を見たとき、calling(神様から与えられた使命、天職)という単語を思い出し、背筋がスッと伸びる気がしました。
毎日自分に問いかけていきたいと思います。

この記事を書いた人

重次泰子

重次泰子

熊本県出身。
慶応義塾大学、経済学部卒業。
銀行で8年勤務し、その後4年ほど2人の子育てに専念。
その後シンクタンクで11年派遣社員(嘱託研究員)、2年間研究員として勤務。
この間、コーチングに出会い、学ぶ中で、「メンバーの幸福度とチームの成果の両方を引き上げる仕組みづくりはないか」という問題意識を持ち、Gallup認定ストレングスコーチ資格を取得。

2018年10月「リソース活用ラボ」開業。
(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ
ギャラップ認定ストレングスコーチ

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