組織にはなぜ多様性が必要なのか

「ばかげた」質問こそが問題の解決につながる

アクションラーニング(質問会議を通じて問題を解決し、チームが学習、成長する手法)を学び始めてまだ2か月ですが、非常に興味深い気づきがありました。
「ばかげた」質問が問題の本質を突いていることが多いという事実です。
具体的な例を挙げると、例えばもし、タイタニック号が航海に出る前に、誰かが「救命ボートの数が収容人員よりもずっと少ないが大丈夫か?」と質問していたら、多数の犠牲者は防げたはず、ということです。
この例での「ばかげた質問」が「救命ボートが足りないけど大丈夫?」にあたります。
映画の中では、主人公ローズが、出港した後に気が付いて、質問していました。
でもすでに遅かった。
設計者は船を作ることに頭がいっぱいで、事故が起きた後の対応までは頭が回らなかった。
しかし、全くの部外者で、船の設計の知識は全くなかったローズには気が付いていたのです。

分かっていても、質問できないことが多い

組織のミーティングで、「ばかげた質問」をするのはかなり勇気のいる行為です。
「何言ってるんだ?空気読めよ!」と思われ、愚か者の烙印を押されるのではないか。
リーダーに悪印象を持たれるのではないか。
色々なことが頭をよぎり、本質ではない、当たり障りのない議論で終始してしまう。

基幹統計の作成方法が不適切であったという問題について連日議論されています。
もし、アシスタントの誰かが、「この調査、東京都の500人以上の事業所全部に調査票送ってませんけどいいんですか?」と質問していたら、どうなっていたか。
ほかにも、例えば東芝の取締役会で、もし秘書が「社長、これ不正じゃないですか?」と言っていたら?
裸の大様に大人が何も言えなかったように、本質的であればあるほど、質問や指摘をするのは難しいのが現実です。

専門家以外の人に入ってもらうことの大切さ

日本の企業では、ブレストを含め、ミーティングを行うときに、メンバーを限定して行うことが多いのではないでしょうか?
特に、アシスタントや事務職の人を入れることは少ないように感じます。
彼らは、工学や経済学など、プロジェクトの専門知識はないかもしれませんが、もしかしたら心理学、社会学を学んでいるかも知れない。
学んでいなくても、「ばかげた質問」をしてくれるかもしれません。
リーダーによっては、アシスタントを含めたチーム全員でミーティングをするのですが、自分の意向に合わない意見を否定する、もしくはいつの間にか除外する人もいます。
「場の安全性」が確保されないパターンです。
この場合のミーティングは、リーダーの好みそうな意見しか出なくなる恐れがあります。
そうなると、このチームからは、リーダーの持っているもの以上のものは生まれなくなる。
せっかくの多様性が活かされず、非常にもったいないことです。

あなたの職場のミーティングでは、「ばかげた質問」ができていますか?

この記事を書いた人

重次泰子

重次泰子

熊本県出身。
慶応義塾大学、経済学部卒業。
銀行で8年勤務し、その後4年ほど2人の子育てに専念。
その後シンクタンクで11年派遣社員(嘱託研究員)、2年間研究員として勤務。
この間、コーチングに出会い、学ぶ中で、「メンバーの幸福度とチームの成果の両方を引き上げる仕組みづくりはないか」という問題意識を持ち、Gallup認定ストレングスコーチ資格を取得。

2018年10月「リソース活用ラボ」開業。
(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ
ギャラップ認定ストレングスコーチ

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