日本人がハマる先延ばしの構図

先延ばしには2種類ある

以前TEDでティム・アーバンという人気ブロガーが「先延ばし魔の頭の中はどうなっているか」という面白いプレゼンをしていました。
まず締め切りがある場合です。
頭の中には、理性的な意思決定者がいて、課題にとりかかろうとするのですが、ラクで楽しいことが好きなおサルが主導権をとってしまうので、先延ばしにしてしまいます。
1日先延ばしするごとに、一日当たりのやるべき量がどんどん増えていきます。
しかし、ある日、パニックモンスターが出てきて、このままではまずいと、おしりに火をつけてくれるので、何とか締め切りに間に合います。
100%あるある、です。
ところが、締め切りが無い場合、いつになってもパニックモンスターは出てきません。
「一人静かに蝕まれて、あとで大きな後悔のもとになる」のです。
ティム・アーバンは、今日じゃなくても、明日じゃなくても、近いうちに始めよう、と結んでいました。

日本が直面する人口減少という問題

2017年に話題になった、河合雅司著「未来の年表」を読み直しました。
2065年には、日本の人口は1.27億人から、8800万人に減少します。
そして、そのころには、「外国人が日本の無人の国土を占拠する」、とあります。
これはフィクションでもなんでもなく、客観データから積み上げた、将来の日本の姿です。
私は50歳なので2065年には97歳、十分生きている可能性はあります。
少なくとも子どもや孫の世代、遠い話ではありません。
人口減少が加速しているのに、女性の合計特殊出生率は回復していません。
東京の一極集中を何とかしよう、という話も、なかなか解決の糸口が見えません。
先送りしていても、今の生活はさほど変わらない。
しかし、このままいけばどんな状態になるのかはわかっています。

山一証券の経営幹部の言葉

先日見たNHKの「平成史スクープドキュメント 山一証券破綻の深層」に登場した、山一証券幹部の言葉を思い出しました。
「もし破綻することが分かっていたら、あの時他の選択をしていた」
「でも現実として毎日は過ぎていく。何とかなると思っていたのでできなかった。」
今の私たちは、まさにこの状態なのではないでしょうか。
前述の「未来の年表」では、戦略的に縮む、など今取るべき具体的な提案がなされていました。
締め切りが無い問題ですが、長期的な先延ばしをして、あとで後悔することの無いように、今から動かなければならないと強く感じました。

この記事を書いた人

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重次泰子

熊本県出身。
慶応義塾大学、経済学部卒業。
銀行で8年勤務し、その後4年ほど2人の子育てに専念。
その後シンクタンクで11年派遣社員(嘱託研究員)、2年間研究員として勤務。
この間、コーチングに出会い、学ぶ中で、「メンバーの幸福度とチームの成果の両方を引き上げる仕組みづくりはないか」という問題意識を持ち、Gallup認定ストレングスコーチ資格を取得。

2018年10月「リソース活用ラボ」開業。
(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ
ギャラップ認定ストレングスコーチ

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