結果を出す組織とは~明治大学ラグビー部から学ぶこと

22年ぶりに大学選手権を制覇

昨日のNHKクローズアップ現代で、22年ぶりに大学選手権を制覇した明大ラグビー部を特集していました。
結果を出せるチームにするために、田中澄憲監督が若者たちをどう育てたのかを、1年間密着取材したものです。
企業やコミュニティの組織づくりに通じるものが沢山あると感じました。

精神論ではなく客観的根拠を示す

まず監督が行ったのは、日本一を目指すためのマインドセットを作ることでした。
そのためただ頑張れ、この練習をやれと命じるのではなく、厳しい練習をする根拠を示しました。
GPSでデータを測定し、走量が試合で必要な量の1.2倍になるような練習メニューを作る。
ベンチプレスは社会人トップリーグのデータから、体重の1.5倍を目指す、など。
説得力のあるデータを示すことで、これをやれば日本一になれるという道筋がわかり、選手たちは前向きに練習に取り組みました。
「今どきの若者は、精神論だけではだめです。」と監督は述べて言いました。
時代の変化に柔軟に対応されたリーダーらしい言葉だと思います。

個人的には、若者たちが根拠のない練習をしないというのは、考えるようになった証拠で、とても良いことだと思います。
右肩上がりの時代の成功体験が今通用するのか、異を唱えてくれる頼もしい存在だと考えるべきではないでしょうか。

生活習慣を整える

次に監督は、スマホのアプリを導入し、ごみを拾う、廊下の整理をする、使ったものを戻す、などの生活習慣を整えることを求めました。
学生は述べています。
「意識が変わると、全部が変わった。」
「掃除をしてきれいになると細かいところに気付く、そうすると視野が広がり、プレーも良くなった。」
これについては、私も感じることがあります。
成功している人は、睡眠時間、運動、時間の使い方、気分転換の仕方など、基盤となる部分を整えています。
「(生活習慣とラグビーは)すべてが関係していると僕は思います。」という学生の言葉には、実感がこもっていました。
この人は、社会人になってからも自分の生活を整え続け、きっと成果を出す人になると確信しました。

コミュニケーションの大切さ、難しさ

監督は、日頃から学生一人一人とメールでやり取りをしています。
できたこと、出来なかったこと、正直な気持ちをつづったメールに対し、まず承認し、励ましの言葉を返します。
番組に出演していた青山学院陸上部の原監督が解説します。
「これは心理的安心性を担保するのが目的です。安心して言い合えない組織に発展はありません。」
「監督が牛耳った組織は、監督以上のものにはならないのです。」

ただ、田中監督がこれだけ腐心しても、選手間で率直なコミュニケーションを取るのは容易ではありません。
「これを言ったら相手が傷つくかもしれない。」
お互いの気持ちが気になって、何でも言う勇気がなかなか持てないのです。
相手を思いやる気持ちがあるだけに、率直に耳の痛いことが言えない。
原監督の言葉です。
「ダメなものはダメ、いいものはいいと本質的なところを言い合う、それが大切です。」

これは、私が先日学んだ、斎藤式チームビルディングの内容と合致しています。
安心の場が確保されたチームは、ゴールに向かうために意見をぶつけ合う、次のステージに進む必要があります。
日常的なミーティングで、言いにくいことをきちんと伝えあう練習をすることが大切だと感じました。

成果を出すために組織やチームにとって何が必要なのか、コミュニケーションを武器にするということはどういうことなのか、明治大学ラグビー部が教えてくれたことが大いに役に立ちそうです。

この記事を書いた人

重次泰子

熊本県出身。
慶応義塾大学、経済学部卒業。
銀行で8年勤務し、その後4年ほど2人の子育てに専念。
その後シンクタンクで11年派遣社員(嘱託研究員)、2年間研究員として勤務。
この間、コーチングに出会い、学ぶ中で、「メンバーの幸福度とチームの成果の両方を引き上げる仕組みづくりはないか」という問題意識を持ち、Gallup認定ストレングスコーチ資格を取得。

2018年10月「リソース活用ラボ」開業。
(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ
ギャラップ認定ストレングスコーチ

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