孤独は体に悪いだけでなく、生産性を下げる
前米国公衆衛生局長官のベビック・マーシー氏の論文「『職場の孤独』という伝染病」が話題になりました。
米国の成人の4割が孤独を感じている、という調査結果は衝撃的でした。
日本でも、2011年の産業能率大学の調査で、職場で孤独を感じることが、「よくある」、「時々ある」と答えた人が3割、「たまにある」まで入れると6割という結果でした。
ペンシルバニア大学の論文では、孤独が生産性を下げるという実証研究も発表されています。
2つの職場で672人の従業員と、114人の上司による調査から、孤独感が大きいと、仕事のパフォーマンスが低下することがわかりました。
関係性を密にするには
前出の産業能率大学の調査で、孤独を感じるのはなぜかという質問の回答です。
- 自分のことしか考えていない人が多いから
- メンバーの関係性が希薄だから
- 世代のギャップがあるから
が各3割を超えていました(複数回答)。
一方、ハーバードビジネスレビューでは、「社内交流イベントの負の効果」も指摘しています。
「強制的な交流の場は、えてして人が基本的に持っている心理的な傾向のために、うまくいかない場合が多い」と。
孤独をなくすには、「交流させる場を作る」よりも、「今の職場をあたためる」ためにできることを考える方がよさそうです。
職場の雰囲気は上司が決める
これはあくまで私の私見ですが、カギは上司だと感じます。
新人~若手時代、私の上司は常にメンバーの様子に気を配る方でした。
元気がないと、さりげなく、「今日元気ないね、何かあった?」と声をかけてくれました。
ほんの一言でも、自分を気にかけてくれている、と思うととてもうれしく感じたものです。
一方孤独を感じた時、もしくは同僚から「不安だ」と相談された時を思い出すと
上司から、声をかけてもらえない日が続いている、というのが一番だと思います。
自分が嫌われている、もしくは認められていないのではないか、と不安になります。
そんな不安も、上司が笑いながら声をかけてくれれば吹き飛ぶのです。
上司の皆さん、まずは朝、目を合わせて、笑って「おはよう」と言いましょう。
できれば午前中に、メンバー一人一人に声をかけましょう。
「どうよ、調子は?」と言って、顔色を見てください。
メンバーは安心して仕事に集中できると思います。