活発性×着想の人と、慎重さ×回復志向の人

相性が悪く、衝突が起きやすいパターン

職場や家族・親戚内で、衝突が起きやすい人たちがいます。
その場の雰囲気がピリピリするので、周りの人にも影響を及ぼします。
そんな時、互いの考え方や意思決定のプロセスが全く異なることを理解することで、ストレスを軽減することができます。
今回は、活発性×着想の人と、慎重さ×回復志向の人の例で考えます。

活発性×着想の人

「活発性」の資質は、文字通り「行動する」才能、「いつ始める?」が口癖で、待つことができません。
「着想」の資質は、アイディアが湧き出る才能、人と違う視点でモノを見るので、「変わっている人」とみられることがあります。
「活発性」×「着想」の人は、湧き出るアイディアがどんどん出て、それを試さずにはいられない、とてもアクティブな人です。

慎重さ×回復志向の人

「慎重さ」の資質は、リスクが見える才能で、情報を集めてじっくり決断することを好みます。
「回復志向」の資質は、問題を見つけて解決する、元に戻す才能です。
「慎重さ」×「回復志向」の人は、行動を起こす前にリスクをしっかり潰し、そのうえで問題を解決しようとします。

ストレスが発生するとき

「活発性」と「着想」の人は、アイディアが浮かぶとすぐに行動しようとします。
失敗しても死なない限りは学べると思っているので、チャンスを逃したくない、一刻も早く動きたいのです。
それを見ていた「慎重さ」と「回復志向」の人は、カチンと来ます。
このままいけば、どういうことになるのか、リスクが頭の中で何千個も浮かんでいます。
こんな危険なことをやるなんて信じられない、元に戻さなきゃ、と必死でブレーキを掛けようとします。
一方行動を止められた方は、あまのじゃくも手伝って爆発、衝突が発生してしまいます。

まずは互いの資質を理解する

お互いが怒っているときに、よく出る口癖があります。
「○○さんは困った人だ。」
「○○さんはちょっとおかしい。」
ちょっとクールダウンしてもらい、互いの資質を知り、理解してもらうことからスタートします。
「活発性」はとてもエネルギーが高い資質で、動かずにはいられないこと。
「慎重さ」は危険をつぶしたい、「回復志向」は問題が見つかったら元に戻したいこと。
衝突が起こる仕組みが構造化できると、モヤモヤが少し下がります。
そして、次回から、お互いが考えていることをきちんと伝えることにします。
その時、否定しないことがポイントです。
「こういうアイディアが浮かんだので、やってみたいんだけど、どうかな。」
「なるほど、いいアイディアだね。自分としては、こういうリスクが思い浮かぶので、考慮してもらえればうれしいな。」
お互いの資質を理解することで、許せる範囲が少し広がり、ストレスレベルが下がります。

資質を憎んで人を憎まず

さらに理解が進むと、会話はこうなります。
「自分の活発性と着想が止まらなくて、こういうことがしたくなってきたんだ」
「うわ、すごいね。うーん、それを聞いた私の慎重さが猛烈にリスクを洗い出し始めたよ。ちょっと耳に入れてくれるかな」
会話の主語を「私が」、「あなたが」から「活発性が」、「慎重さが」に変えることで、人格否定をすることが無くなり、ストレスが減ってコミュニケーション量が増えます。
「資質を憎んで人を憎まず。」の精神で行きたいですね。

この記事を書いた人

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重次泰子

熊本県出身。
慶応義塾大学、経済学部卒業。
銀行で8年勤務し、その後4年ほど2人の子育てに専念。
その後シンクタンクで11年派遣社員(嘱託研究員)、2年間研究員として勤務。
この間、コーチングに出会い、学ぶ中で、「メンバーの幸福度とチームの成果の両方を引き上げる仕組みづくりはないか」という問題意識を持ち、Gallup認定ストレングスコーチ資格を取得。

2018年10月「リソース活用ラボ」開業。
(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ
ギャラップ認定ストレングスコーチ

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