我が家の給湯器が故障し、1週間全くお湯が出ませんでした。
家族の対応はそれぞれ。
銭湯行けばいいじゃん、と妙に嬉しそうなムスメ。
オレ水シャワーでいいよ、と結局銭湯に行かなかった受験生のムスコ。
勘弁してよとと思いつつ、近くの銭湯が気になっていたこともあり、行ってみることにしました。
昭和の香り漂う、ドクターXに出てきそうな銭湯です。
下足箱の上に見つけました、ご主人とおぼしき男性と毒蝮三太夫の写真!
テレビやラジオの取材の時のものらしき、年季の入ったスナップ写真が何枚もあります。
小さい頃、家族で住んでいた中野区の家の斜め前に、安楽湯という銭湯がありました。
夕方になると、洗面器を持った人たちが連れ立って我が家の前を通り、それは賑やかでした。
熊本から上京して来たばかりの小学生の私は、高い煙突とたくさんの人を見て、これが東京なんだと思ったものです。
そんなことを思い出しながら中に入ると、ソファとデレビがあり、受付におばあさんが座っていました。
460円払い、中に入ります。
昔ながらのロッカーが並び、マッサージチェア、パーマ屋さんのオカマのついた椅子、薬局の名前の入った鏡もあります。
無料です、と書いた紙が貼ってある、箱型のマッサージ器具が置いてありました。
箱の両サイドに持ち手がついて、腰とか背中とかに押し付けて使う、アレです。
ツマミを回すとブーンドドドドと立派に動きます。
なにこれ、凄い、と大喜びで足に押しつけるムスメ。
浴場に入ってびっくり、普通の風呂と水風呂だけかと思ったら大間違いでした。
ミクロン風呂というバブルバスと、同じくバブルバスの寝湯もあります。
隣にはアルカリ風呂という、炭の入ったぬる目の柔らかい風呂もある。
銭湯は進化していました。
遅い時間でしたが、若い人もお年寄りも、5人くらいお客さんがいました。
うちにお風呂があっても、これは時々入りたくなるかも。
牛乳を飲みたくなる気持ちを抑えて、急いで帰宅すると、天皇陛下の最後の記者会見のニュースが流れていました。
昭和も終わり、そして平成も終わりだな。
時代は変わるけれど、どこかほっとするあの銭湯は、無くならないでほしいと思いました。