組織によって異なるチームの定義
組織でのチームビルディングを考えるとき、必ず初めに突き当たる問題があります。
「誰まで」をチームとして含めるのか、です。
ベンチャー企業など、新しい組織では、「正社員だけでなく、派遣社員もすべて」と回答するリーダーが圧倒的に多い。
小さな組織では、皆が、持っているスキルをフルに発揮して複数の仕事をしないと機能しない。
したがって、雇用形態で線引きをする意識があまりないのです。
一方、伝統的な階層型の組織においては、「全員」と答える場合もありますが、「総合職だけ、正社員だけ」と回答するリーダーが多い。
後者のタイプのリーダーの話を聞くと、補助的な仕事をする人は自分たちの指示で動くので、チームではない、という意識が伝わってきます。
活用されない人の不満は伝染する
「補助的な仕事をする人」と名付けられた人は、毎日決められた仕事だけをします。
子育てや、病気、介護など、理由があって派遣社員になる場合、自分の持っているスキルを大きく下回ることも多いのですが、仕方がありません。
チームとしても認められない、もともとのスキルも使わないまま低下する、モチベーションも下がる、という悪循環に陥ります。
自分の実力を発揮できない不満は、負のオーラとなって伝染するので、組織全体が沈滞します。
一方、逆のパターンもあります。
「全員」をチームと考え、ストレングスファインダーのワークショップを行った組織の例です。
自分の強みを出すことを奨励するリーダーのもとで、派遣社員の人も、より消費者に近い目線から新たな視点で提案をするようになりました。
主体的に動く姿勢は、他のメンバーにも波及するので、チーム全体に活気が生まれました。
リーダーの意識変革が鍵
チームビルディングの成否は、ワークショップの成果が、次の日からもずっと持続するかどうかにかかっています。
一部の人だけが一時的に一体感、高揚感を感じても、残りの人たちが沈滞ムードだと、次第に元に戻ってしまいます。
職場全員がチームとして参加することが大切です。
リーダーが、ヒエラルキーという固定観念を取り払えるかが鍵だと感じます。