なぜこの本を選んだのか
「リソース活用ラボ」という事業を立ち上げ、その人の持つ才能(リソース)をフルに活用するお手伝いをすることをミッションに決めました。
活動する中で、個人の才能を最大限に活かせる組織とは何か、を考えることが増えました。
少し集中して、参考図書を読むことにしました。
一番初めに読んだのが、「ティール組織」。
フラットな組織が、メンバーの当事者意識を高め、やる気と生産性向上につながっています。
こういう組織づくりは、圧倒的に欧米が先行しています。
日本でも、一部IT企業などでティール組織を採用するところが出てきました。
そんな中で、「一度は泊まってみたい」といわれる程人気の星野リゾートが、30年近く前からフラットな組織を追求してきたことを知りました。
フラットな組織文化が、メンバーの能力を最大限に引き出す
代表の星野佳路さんいわく、フラットな組織とは、現場が自由に考え、自由に意見を言い合えるような、フラットな人間関係で作られた組織です。
そのために、星野さんが徹底したことは主に2つです。
- 情報をすべての社員にオープンにすること
- トップが望まなくても、議論の末に社員が決めたらやらせること
これはやる気が出ます。
役職者だけが情報を持っている、ということがないので、アイディア出しに関して、新人も役職者も機会均等というわけです。
情報があって、自由に意見を言い合える雰囲気がある環境なら、新しいアイディアもどんどん生まれそうです。
そして、驚いたのは、トップが反対しても、議論の末に現場が決めたらやらせること。
この本の中では、奥入瀬渓流ホテルの冬季営業開始の例が出ています。
総支配人ら現場の主張に、最後まで星野さんは反対の立場を貫きますが、「やってみる」ことに反対はしません。
現場の社員の決定を尊重する、経営者の覚悟を感じました。
日本の大企業のこれからは
すでに階級組織が定着している日本の大企業は、これからどうなるのでしょうか。
イノベーションを生み出し、生産性を上げるためには何らかの変革が求められています。
しかし、
情報を社員でオープンにするのは可能なのか。
すでに権限をしっかりと握っている管理職や経営幹部が、フラットな人間関係を受け入れられるのか?
今の組織形態を持続したままで、企業は存続可能なのか?
そして、人はどう行動すべきなのか?
いろんな疑問が沸き上がってきました。
経営者の方たちの意見を是非聞いてみたいと思いました。