日本の幸福度はなぜ低いのか

「説明できない幸福度」が低い

国連の発表した世界幸福度調査(World Happiness Report 2018)によると、日本の幸福度は156か国中54位です。
この指標は主観的幸福度を表し、10段階で自分の幸福度がいくつかを評価したもの。
1位のフィンランドの7.6に対し、日本は5.9。
この調査では、一人当たりGDP、健康寿命、社会支援、人生選択の自由、寛容さ、汚職の認識という6項目で、主観的幸福度がどの程度説明できるかを推計しています。
特徴的なのが、日本は、6項目で説明できない幸福度(残差)が顕著に小さいことです。
この残差は、6項目以外の、「なんだかわからないけど幸せ」な部分。
フィンランドや北欧などの上位にランキングされる国は、この部分が大きい。
これは何を示すのでしょう?

選択肢の多い社会に

OECDのBetter life indexでヒントを見出すことができます。
こちらも幸福度を示す指標です。
この指標も、日本は38か国中23位と低い。
詳しく見ると、日本の「弱み」は、仕事のストレスの高さ、休暇の少なさ、健康状態の認識、政府への発言権の小ささ、投票率です。
職場の環境や、硬直的な労働市場、ワークライフバランスの悪さ、政治に対する不信感といったところに、幸福度が低い要因がありそうです。
こうでなければならない、自分で決められない環境がまだまだ多い。
こうでなくてもいい、他に選択肢は沢山ある、そんな社会を目指せば、幸福度も上がるような気がします。

この記事を書いた人

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重次泰子

熊本県出身。
慶応義塾大学、経済学部卒業。
銀行で8年勤務し、その後4年ほど2人の子育てに専念。
その後シンクタンクで11年派遣社員(嘱託研究員)、2年間研究員として勤務。
この間、コーチングに出会い、学ぶ中で、「メンバーの幸福度とチームの成果の両方を引き上げる仕組みづくりはないか」という問題意識を持ち、Gallup認定ストレングスコーチ資格を取得。

2018年10月「リソース活用ラボ」開業。
(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ
ギャラップ認定ストレングスコーチ

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