「鈍足だったら、速く走るな」を読んで考えたこと

2つの視点で読める本

監督として、早稲田大学ラグビー部を2連覇に導いた、中竹竜二さんの本です。
この本は、2つの視点で読むことができます。

  • 多くの弱みを抱える筆者が、強みを重視し、自分のスタイルを確立する自己啓発の視点
  • フォロワーシップによってチーム力を高める、組織のマネジメントの視点

どちらの視点で読んでも、中竹さんが、ひたむきに考え抜き、自分独自の方法を確立していった姿勢に心を打たれます。

弱みを別の方法でカバーする

中竹さんは、読字障害という、文章を読むこと、字を書くことが難しい障害を抱えていることに気づきます。
試行錯誤の末、黒板をじっと見て覚えるなど、自分なりのやり方で勉強法を見出します。
また、ラグビー選手では致命的な、とんでもなく足が遅いという欠点も抱えていました。
これも、走らなくてもよいように、先を読んでその場に早く移動すること、タックルを磨くことでカバーします。

フォロワーシップというマネジメントスタイル

選手として一流ではなかった中竹さんですが、人望の厚さから、キャプテンに選ばれます。
ぐいぐいと引っ張ることができない自分はどういうリーダーになるべきか。
中竹さんは、周りの話を聞き、理解を求め、周りが自主的に動く、いわゆるフォロワーシップによるチーム作りというスタイルにたどり着きます。
これはのちに、早稲田大学の監督に就任してからも変わりません。
ひたすら面談し、強みや弱みを理解させ、自分のスタイルを作ることを求めます。
そうやって人の力を引き出すのです。
強いリーダーの下では、指示待ちになっていたメンバーが、当事者意識を持ち、自分の頭で考えるようになり、大学選手権2連覇を成し遂げます。

自分のスタイルを確立するために大切なこと

中竹さんは、4つの大切なポイントを挙げています

  1. なりたい自分ではなく、自分だけの強みを磨く
  2. こうあるべきという考えを捨てる
  3. よく見られたいというプライドを捨てる
  4. 固定概念や先入観を捨てる

意外なことに、強みを磨く前に、不得意で嫌いなところ、自分らしくないところを経験する対極視点法という方法を勧めています。
やってみたら意外と面白い、自分の意外な能力を見つけられることもある。
そして無理だとわかったら、やるな、捨てろ、です。
うまくいった人のマネをする、いわゆるべき論ではなく、自分らしいやり方を見つけることが大切だ、とも説いています。

自分らしさを追求すると、強みになる

中竹さんは数々の逆境を跳ね返すというよりは、受け入れて、チャンスに変えた人です。
できないことと、できることをしっかり見極め、周りに発信する。
できないことがわかっているので、周りの意見をよく聞き、理解を求める。
周りの人も当事者意識が育っていく。
この本を読むと、自分の弱点が怖くなくなります。
できることでカバーすればいい、人に聞けばいい、助けを求めればいい。
それがかえって、自分を活かし、チームを強くする。
元気が湧いてくる本、おすすめです。

この記事を書いた人

重次泰子

熊本県出身。
慶応義塾大学、経済学部卒業。
銀行で8年勤務し、その後4年ほど2人の子育てに専念。
その後シンクタンクで11年派遣社員(嘱託研究員)、2年間研究員として勤務。
この間、コーチングに出会い、学ぶ中で、「メンバーの幸福度とチームの成果の両方を引き上げる仕組みづくりはないか」という問題意識を持ち、Gallup認定ストレングスコーチ資格を取得。

2018年10月「リソース活用ラボ」開業。
(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ
ギャラップ認定ストレングスコーチ

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