「称賛」は響かない
この頃、「人はどんな時やる気になるのか」が気になっています。
ハーバード・ビジネスレビューの、「チームをやる気にさせたいとき、リーダーがやってはいけないこと」が目に留まりました。
著者が、リーダーシップについて話すとき、よくする質問です。
「嫌な上司に褒められたことがある人は?」
3分の2が手を挙げるそうです。
部下は称賛の言葉が、「いかにも」という感じで白々しいと感じていました。
米国Gallup社が2017年に実施した「米国の職場の状況についての調査」です。
退職した人の79%が、理由として「良い仕事をするために、やる気が上がるようなマネージメントをされなかったから」と答えました。
このレポートでは、上司がやってはいけない悪い例を3つ挙げています。
- この分析良かったよ、という類の形式的な称賛
- きみの活躍を上司にアピールしておいたよ、という見え透いた作り話
- 無理な仕事をやらせた上司が、過度な称賛を、時に人前ですること
共通するのは、「称賛する」です。
「やる気を起こさせる」ではなく環境をつくること
ではどうすればよいのか?
3つの提案をしています。
- 達成した仕事の背景について、部下の話を聞く
- 部下の日々の仕事が、組織に与える貢献を説明しつつ感謝する
- 仕事を達成するために部下が払った犠牲や努力を認識していることを知らせる
これは「称賛」ではなく「承認」です。
リーダーに求められるのは、「やる気にさせよう」とするのではなく、部下がやる気を高められるような、「承認にあふれた環境」を作ることだと。
やはり、ここでも「環境づくり」がポイントのようです。
それにしても、人の「やる気」を刺激するのは難しい。
そもそも人を何とかしよう、と思うこと自体を改めなければいけないな、と感じました。