ラグビー日本代表チームが教えてくれたこと

日本代表チームは、決勝トーナメントで惜しくも南アフリカに負けてしまいましたが、ワールドカップで初のベスト8を達成しました。
私自身は、ラグビーというスポーツにはあまり関心が無かったのですが、日本代表チームを知り、気迫のこもった試合を見るうちに、どんどん引き込まれ、「にわかファン」の一人となりました。
引き込まれた理由は、「外国人選手が多くいる日本代表」が持つ魅力です。

日本のために戦うと決めた人が日本代表

今回のワールドカップでまず私が心を惹かれたのが、代表チームの資格要件です。
例えば日本代表になるには、

出生地が日本である
両親・祖父母のうち一人が日本人である
日本に連続して3年以上居住するか、通算10年居住

の3条件のうちの1つを満たせばよいので、外国籍でも日本代表になれます。
ただし、一度ある国の代表になった選手は、他の国の代表にはなれないそうです。

こういうルールを決めたラグビーというスポーツは凄い!!
サッカーでも世界中でプレーしている選手は、ワールドカップになれば自国代表として戦うのに、ラグビーは自分が長く住み、その国のために戦うと決めた国の代表になれるのです。
今回、31人の代表のうち外国人選手は15人、うち日本国籍取得者は8人、外国籍7人とのこと。
「半分が外国出身者だから日本代表は強くなったんじゃないの?。」
「ラグビーが弱いに日本だったら代表になりやすいから、日本に来たんじゃないの?」
お恥ずかしながら、私は始め、そんな風に多少冷ややかに見ていました。
しかし、実態を知るにつれ、そんな甘いものではないことが分かりました。

まず、240日間の合宿は想像を絶する過酷さで、日当は1万円。
代表メンバーのインタビューでは、「自分たちが勝つためにどれだけの犠牲を払ってきたか誰も知らない」という言葉がありました。
試合を見ていて、あまりの激しさに目をそむけたくなるシーンが沢山ありました。
タックルされて頭や腰を強打する場面
ハイパントを取るためにジャンプした選手が着地した途端に吹っ飛ばされる場面
「選手たちは命がけで戦っている」
そう感じました。
「日本のために勝つ」というミッションのために、日本を選んで、日本のために命を懸けて、多くの犠牲を払って戦ってくれている外国人選手に、心から感謝したいと思いました。

外国人選手が教えてくれた、「分かり合うための努力」がもたらすもの

日本人同士だと、「言わなくてもわかる」という意識が強いように思います。
企業の管理職の方たちの言葉を思い出しました。
「自分は部下を育てるつもりで、考えてもらおうと思って、敢えて言わなかった」。
「言わなくても、このくらいのことは分かっていると思っていた。」
そして実際のところ、部下には全く伝わっていない、ということが多いのです。

外国人選手が入ると、何もしなければ絶対に伝わらないので、一生懸命、明確に伝えようとする。
漠然としているイメージも、言語化し、伝える過程で、誰にでもわかる明確なものに変わります。
時には、日本人が当たり前だと思って続けていたことが、「なぜこれをやるのか?」と質問され、改めて考え、気づくこともあるかも知れません。
リーチマイケル選手が、「君が代」を外国人選手が歌うために、歌詞の意味を解説し、皆でさざれ石を見学した、との報道がありました。
さざれ石の意味なんて、気にしたこともなかった。
「君が代」って、いい歌なんだなあ。
これも、外国人選手が教えてくれたことだと思います。

日本代表には成功するチームの要素が詰まっている

変化の早い、先の見えない時代にあって、成功するチームとは?
企業や軍隊、非営利組織、教育現場、などあらゆる組織で模索が続けられています。
日本代表チームも、状況は同じだったと思います。

何をすれば成功するか分からない
それに向かって努力をしても、結果が出るか分からない、報われる保証はない

そんな中で、個々が大きな犠牲を払って限界以上の努力をし続け、結果を出すことができたのはなぜか。

「ワールドカップでベスト8」という明確な目標を皆が共有できた(ミッションの共有)。
「家族のように」安心して言いたいことが言い合える雰囲気があった(心理的安全性)。

それを日本人だけでなく、外国人選手が入っても、いや入ったからこそできた。
その事実を、私たちに教えてくれたことに、本当に感謝したいと思います。

これから日本は沢山の外国人を受け入れようとしています。
これを契機に、日本のあらゆる現場で、多様な人種、立場の人が当たり前に受け入れられ、家族のようにいろいろなことを言い合えて、この組織のために頑張れる、というメンバーが増える。
私たちがそういう姿を目指すことができれば、きっと素晴らしい成果を出すことができるのだ感じました。

あんなに弱かった日本代表が、ここまで凄いことをやってくれた。
「日本代表チーム(ブレイブブロッサム)みたいに」、を合言葉に私たちも頑張れる気がします。

ありがとう、日本代表!!!

この記事を書いた人

重次泰子

重次泰子

熊本県出身。
慶応義塾大学、経済学部卒業。
銀行で8年勤務し、その後4年ほど2人の子育てに専念。
その後シンクタンクで11年派遣社員(嘱託研究員)、2年間研究員として勤務。
この間、コーチングに出会い、学ぶ中で、「メンバーの幸福度とチームの成果の両方を引き上げる仕組みづくりはないか」という問題意識を持ち、Gallup認定ストレングスコーチ資格を取得。

2018年10月「リソース活用ラボ」開業。
(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ
ギャラップ認定ストレングスコーチ

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